漢方薬 中医師 漢 方

体を栄養する血が不足した状態です。貧血などで栄養成分が不足した状態です。顔色不良、口舌が淡白、爪・毛髪につやがない、ふらつき、視力減退などがあります。

必要なものが不足 ⇒ すなわち の状態
気虚
エネルギーの低下の状態 更に不足すると       ⇒ 陽虚 熱分が不足の状態
元気・やる気がない
疲れ易い・食欲減退
風邪を引きやすい
冷える・寒がる
寒虚証
血虚
滋養分が不足 更に不足すると      ⇒ 陰虚 陰分が不足の状態
目の疲れ・こむら返り
皮膚がかさつく・不安感
ほてる・寝汗
だるい・やせる

熱虚証
津液不足
潤いの不足
喉の渇き・皮膚のかさつき

血虚とは、血のもつ濡養(栄養・滋潤)作用の不足のことで、原因として、脾胃の運化作用の低下にともなう血の生成の不足、出血や血液破壊による血の量の不足、循環不全(血オ)による血の供給不足が考えられます。
【主症状】
顔色が悪い・皮膚に艶が無い・唇のあれ・爪が脆い・目がかすむ・目が乾く・目がくらむ・ふらつく・動悸・四肢のしびれ感・筋肉がひきつる・筋肉のけいれん・舌質はやや淡白・脈は細。
心血虚(心の「神を主る」「血脈を主る」の機能異常)不眠・夢をよくみる・動悸・不安感・健忘など特徴である。
肝血虚(肝の「血を蔵す」「目に開籔する」「筋を主る」の機能異常)目がかすむ・目の乾燥感・筋のけいれん・手足のしびれ・脈は弦細、女性では月経のおくれ・月経血の過少・無月経などが特徴です。
いずれも、脳の抑制過程の機能低下・自律神経系の失調・心筋や筋肉の代謝異常などによって生ずる症候と考えられます。
【論治】
治法は補血(養血)です。一般に当帰・熟地黄・奇薬・何首烏・阿膠・早蓮草を用い、心血虚には丹参・酸渠仁・柏子仁・遠志・竜眼肉などの養心安神薬を、肝血虚には拘杷子・桑甚子・鶏血藤などの補血養肝薬を加えます。
補血薬は、滋養強壮・栄養・神経機能改善などの作用があり、間接的に造血機能も促進します。ただし、補血薬は味がしつこく消化不良を起こしやすいので、健脾薬を配合するとよいです。
【代表方剤】
●補血剤。
帰脾湯・四物湯・補肝湯・加味帰脾湯・炙甘草湯など。
●補血薬。
当帰・熟地黄・何首烏・白芍薬・阿膠・竜眼肉。
【飲食物(性味)】
高タンパクなものを摂取しましょう。「辛熱」なものの過剰摂取は控えましょう。
【養生法】
サウナや激しい運動のように、多量の発汗をうながすようなことは、過度に行わないようにしましょう。