漢方薬 中医師 漢 方

慢性の下痢のこと、「大腸虚寒」あるいは「小腸虚寒」ともいわれるが、実際には脾陽虚の一種と考えてよいです。腸管の循環不良にともなう吸収障害や筋緊張低下による症候と考えられます。

細菌性下痢の治療不適当・老人の衰弱・慢性病脱肛などでみられます。
【主症状】
脾陽虚の症候とともに,慢性で持続性の下痢・大便の失禁・排便後の脱肛などがみられ,一般にぼんやりした腹痛や不快感をともなう,全身状態は虚弱です。
舌質は淡白,脈は細弱。
【論治】
治法は渋腸固脱で,補気・温腸・升提などを基礎に,赤石脂・禺余根・石榴皮・詞子・肉豆薙などの収渋薬を加えます。また,とくに木香・枳殻・陳皮などの理気薬を配分するのがよいとされています。
【代表方剤】
●渋腸固脱剤…桃花湯・真人養臓湯など。