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気の流れが滞っている状態です。気が滞ると脹痛、膨満感などが現れます。肝の機能低下、風邪、飲食、水毒、オ血などが原因の機能低下などです。

余分なものがある状態 ⇒ すなわち  の状態
気滞 気の流れが滞った状態
イライラ・肩こり・憂鬱感
腹部膨満感・張った痛み
便秘など
オ血 血の流れが滞った状態
静脈瘤・あざ・しみ・月経痛・肩こり
顔がどす黒い・固定した頑固な痛み
肝腫・筋腫など
痰飲 水分の流れ・代謝が滞った状態
重だるい・しびれ・浮腫(むくみ)・痰が出る
など

気の機能の停滞、主に自律神経系の緊張や異常亢進による症候と考えられます。内傷七情・外感六淫・外傷・飲食の不節制などによって生じます。
【主症状】
胸部や腹部の苦悶感・膨満感・張って痛いなどが主症状、暖気・排ガスなどにより軽減します。また、時間的に強さが増減する。仙痛あるいは遊走性の惨痛もあり、精神的要素により増強します。時には腹部に腫瘤が現れるが、圧えると消失し所在が確定できない。いずれも、自律神経系の緊張や異常冗進によるものです。気滞には、障害の発生部位により、'胸部気滞・胃気滞(胃気逆)・腸気滞・肝気欝結などがあります。
気滞のうち、特に精神的な素因に関連するものを肝気欝結といい、憂欝感・怒りやすい・胸脇部の張った痛み、女性では、月経痛・月経周期が一定しない。乳房が張るなどの症状がみられる。これが長く続くと、自律神経系の過冗進にともなって異化作用が強まり、頭痛・のぼせ・いらいら・怒りっぽい・顔面紅潮・目やに・口渇・口苦い・胸やけ・難聴・不眠などの熱証が生じるが、これを肝火上炎・心火上炎と呼び、この課程を「肝欝化火」といいます。
【論治】
理気・行気が治法です。自律神経系の調整・鎮痛・鎮静・止嘔などの作用をもっと考えられます。香附子・枳実・枳穀・欝黛1陳皮'青皮・川棟子・木香などの理気薬を用います。
胸部気滞には莚白・枳殻1欝金一枯楼仁・沈香・檀香などの理気寛胸の薬物を主とします。
胃部気滞には、香附子・木香・半夏・陳皮・枳穀・旋覆花などの和胃理気薬や、覆香・縮砂・白豆蔑などの芳香化湿薬を配合します。
腸気滞には、木香・香附子・大腹皮・厚朴・横榔子などの整腸作用のある理気通便の薬物を用います。
肝気欝結には、青皮・欝金・川棟子・柴胡などの疏肝理気解欝薬を主とし、症状に応じて他の理気薬を配合します。なお、柴胡と荷薬(白)を配合すると鎮痛効果が強まり柴胡の刺激性をやわらげます。
【代表方剤】
●理気剤
四逆散・柴胡疏肝散・小半夏湯・木香濱榔子湯・蘇子香気湯・五磨飲子など。
●理気薬
【飲食物(性味)】
オオバや紫蘇の葉など「辛」味のものをうまく使って気分の発散をはかります。
【養生法】
緊急時以外でも、平素からこまめに気分転換やリラックスをはかるようにします。