漢方薬 中医師 漢 方

肝の「疏泄を主る」機能の障害で、自律神経系の過緊張が主となるものと考えられます。緊張感・憂鬱・ヒステリックな反応・ため息・脈は弦です。

精神的緊張・情緒の過度の変化などによって生じますが、病邪の侵襲・陰陽失調などによってもあらわれます。肝気欝結が続くと肝火上炎に移行することが多く、また、血オ・痰飲・陰虚なども生じやすいです。
自律神経失調症・更年期障害・うつ病・神経症・ヒステリー・消化管潰瘍・肝炎・胆のう炎・胃腸神経症・月経困難症・甲状腺腫・乳腺腫その他多くの疾患に見られます。
【主症状】
ゆううつ感・情緒不安定・ヒステリー・しゃべりたがらない・ため息・胸脇部が脹って痛い・胸苦しい・食欲不振・嘔気・排便してもすっきり出ない・便が切れ切れに出たり細い・便秘と下痢が交互に生じる・頻尿・月経痛・月経周期不定・無月経などが見られます。
舌質は淡紅、舌苔は薄白、脈は弦。
【論治】
治法は疏肝解欝です。柴胡・欝金・青皮・枳殻・枳実・川棟子・香附子・政塊花・延胡索・烏薬などの疏肝解欝・理気の薬物を用います。
なお疏肝理気の薬物は燥性が強く陰液を消耗するおそれがあるので、白巧・当帰・熟地黄・拘杷子などの補血薬を配合する必要があります。とくに柴胡と白荷を配合すると解欝効果が高まり刺激性が和らぎます。
痰をともなうときは化痰薬・血オを伴うときは活血化オ薬を加えます。
【代表方剤】
●調和肝脾剤…四逆散・柴胡疏肝散・逍遙散。
●解表攻裏剤…大柴胡湯。
●和解少陽剤…柴胡桂枝湯など。