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概 要

●漢方では対症療法+自然治癒力向上の両面で対応しますが、引きはじめに適切な薬を服用して、体を温めて休むのが最良です。

こんな方に

風邪の初期。普段食欲が旺盛で肩のこる人(項背部のこわばり)

主 治

風寒性(悪寒)カゼ・背や肩の凝り/表寒実証

適応症

感冒鼻かぜ頭痛肩こり筋肉痛、手や肩の痛み、じんましん、、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎角膜炎中耳炎扁桃腺炎乳線炎リンパ線炎)、上半身の神経痛蓄膿症湿疹神経痛偏頭痛気管支炎耳下腺炎水痘涙嚢炎五十肩筋肉リウマチフルンケルカルブンケン皮下膿瘍(ひかのうよう)、高血圧赤痢夜尿症麻疹(はしか)、おたふく風邪

応 用

1.感染症の初期で、発熱・悪寒・無汗・頭痛・身体痛・項背部のこわばり・脈は浮緊の表寒・表実を呈するもの。
インフルエンザ・感冒・鼻炎・その他の感染症の初期など。
2.肩こり・寝ちがい・肩関節周囲炎・頸肩腕症候群・神経痛・筋肉痛など、筋のけいれんによるもの。
3.蕁麻疹・湿疹など。
4.急性大腸炎の初期で、悪寒・発熱・腹痛・テネスムス・粘液性下痢などを呈するもの。
5.中耳炎・結膜炎・副鼻腔炎などの顔面諸器官の炎症。
6.三叉神経痛・顔面神経麻痺。
7.顎関節症。
8.乳汁分泌不全。
9.腹圧性尿失禁。

妊娠・授乳の注意

女性

●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。

診断のポイント

●項背強
●無汗
●浮緊脉

弁証論治

●風寒(表寒) »
●寒邪犯肺・風寒束表 »
●太陽病(傷寒) »

出典書籍

出典書籍 (source)
西暦250年 三国時代 『傷寒論』 校訂 六経によって急性熱病を識別し、治療する方法について説明している。→処方使用期間:1757年間


処方別・製品一覧

医薬品個人輸入 説明表示をクリック(タップ)→説明表示 いらっしゃいませ 医療用漢方薬

JPS 葛根湯の通販画面へJPS 葛根湯の通販画面へ »
ジェーピーエス製薬ジェーピーエス製薬 » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:JPS-5
本剤は、〈錠剤、顆粒剤〉です。
JPS 葛根湯のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k0430 120錠 2,376円(税込)
数量
k0431 260錠 4,104円(税込)
数量
k0555 180包(顆粒剤) 19,332円(税込)
数量

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ウチダ 葛根湯 煎じ薬の通販画面へウチダ 葛根湯 煎じ薬の通販画面へ »
ウチダ和漢薬ウチダ和漢薬 » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:1
本剤は、〈煎剤〉です。

煎じ薬 煎じ薬は煎じの作業がありますがその薬効は、エキス剤よりも優れています。

ウチダ 葛根湯 煎じ薬のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k0968 30日分 10,778円(税込)
数量
●一日分価格(税込)…349円


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カッコーンSの通販画面へカッコーンSの通販画面へ »
小太郎漢方製薬小太郎漢方製薬 » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:S069
本剤は、〈錠剤〉です。
カッコーンSのお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k0088 60錠 1,620円(税込)
数量
●小太郎の協力会製品のご注文はインターネットではできません。
電話、Fax、Eメールで承ります。
弁証論治しましょう。
k0089 180錠 3,564円(税込)
数量
●小太郎の協力会製品のご注文はインターネットではできません。
電話、Fax、Eメールで承ります。
弁証論治しましょう。
k0373 540錠 9,612円(税込)
数量
●小太郎の協力会製品のご注文はインターネットではできません。
電話、Fax、Eメールで承ります。
弁証論治しましょう。

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クラシエ 葛根湯 エキス細粒の通販画面へクラシエ 葛根湯 エキス細粒の通販画面へ »
クラシエ薬品(カネボウ薬品)クラシエ薬品(カネボウ薬品) » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:KB-1・EK-1
本剤は、〈細粒〉です。
医薬品の個人輸入
クラシエ 葛根湯 エキス細粒のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k1211 2.5g×42包(EK-1)(2週間分) 2,189円(税込)
数量
k1209 3.75g×28包(KB-1)(2週間分) 2,189円(税込)
数量
k1210 3.75g×168包(KB-1)(12週間分) 13,142円(税込)
数量
k1212 2.5g×294包(EK-1)(14週間分) 15,332円(税込)
数量

●一日分生薬乾燥エキス量…5.20 g  ●一日分価格(税込)…143円


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クラシエ 葛根湯 エキス錠の通販画面へクラシエ 葛根湯 エキス錠の通販画面へ »
クラシエ薬品(カネボウ薬品)クラシエ薬品(カネボウ薬品) » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:EKT-1
本剤は、〈錠剤〉です。
医薬品の個人輸入
クラシエ 葛根湯 エキス錠のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k1213 252錠(2週間分) 2,189円(税込)
数量
k1214 1764錠(14週間分) 15,332円(税込)
数量
●一日分価格(税込)…143円


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コタロー 葛根湯 エキス細粒の通販画面へコタロー 葛根湯 エキス細粒の通販画面へ »
小太郎漢方製薬小太郎漢方製薬 » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:N1
本剤は、〈細粒〉です。
医薬品の個人輸入
コタロー 葛根湯 エキス細粒のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k1601 (N1)2.5g×42包(2週間分) 2,497円(税込)
数量
k1602 (N1)2.5g×189包(63日分) 10,164円(税込)
数量
●一日分価格(税込)…163円


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サトウ葛根湯顆粒〈満量処方〉の通販画面へサトウ葛根湯顆粒〈満量処方〉の通販画面へ »
佐藤製薬佐藤製薬 »
サトウ葛根湯顆粒〈満量処方〉のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k2278 10包 1,166円(税込)
数量
●一日分価格(税込)…0円


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ツムラ 葛根湯 エキス顆粒(医療用)の通販画面へツムラ 葛根湯 エキス顆粒(医療用)の通販画面へ »
ツムラツムラ » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:1
本剤は、〈顆粒剤〉です。
医薬品の個人輸入
ツムラ 葛根湯 エキス顆粒(医療用)のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k0617 2.5g×42包(2週間分) 3,045円(税込)
数量
k0745 2.5g×189包(63日分) 10,941円(税込)
数量

●一日分生薬乾燥エキス量…3.75 g  ●一日分価格(税込)…202円


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ツムラ漢方 葛根湯 エキス顆粒の通販画面へツムラ漢方 葛根湯 エキス顆粒の通販画面へ »
ツムラツムラ » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:1001
本剤は、〈顆粒剤〉です。
ツムラ漢方 葛根湯 エキス顆粒のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k1080 24包 2,700円(税込)
数量
k1081 64包 7,020円(税込)
数量
●一日分価格(税込)…328円


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ホノミ キシュ粒の通販画面へホノミ キシュ粒の通販画面へ »
剤盛堂薬品剤盛堂薬品 » ≪医薬品≫ 本剤は、〈顆粒剤〉です。
ホノミ キシュ粒のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k2039 500g 22,356円(税込)
数量
●一日分価格(税込)…0円


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漢方製剤 葛根湯 液の通販画面へ漢方製剤 葛根湯 液の通販画面へ »
ジェーピーエス製薬ジェーピーエス製薬 » ≪医薬品≫ 本剤は、〈液剤〉です。
漢方製剤 葛根湯 液のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k0530 30ml×3本 1,296円(税込)
数量
k0531 30ml×10本 4,104円(税込)
数量

●一日分生薬乾燥エキス量…7.20 g  ●一日分価格(税込)…1260円


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東洋 葛根湯 エキス細粒の通販画面へ東洋 葛根湯 エキス細粒の通販画面へ »
東洋薬行 » ≪医薬品≫ 漢方製剤No:TY-013
本剤は、〈細粒〉です。
医薬品の個人輸入
東洋 葛根湯 エキス細粒のお買物(shopping)
商品番号 規格 税込価格 数量 カゴに入れる↓
k1703 2.0g×252包(84日分) 14,019円(税込)
数量
●一日分価格(税込)…152円


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ご購入手順

SSL説明ページへ

*【カゴに入れる↓】ボタンをクリックするとあなたの買物カゴに商品が1個入ります。
*複数個お買い上げの場合は数量を入力して、【カゴに入れる↓】ボタンをクリックして下さい。
*別の商品の【カゴに入れる↓】ボタンをクリックするとあなたの買物カゴに別の商品が追加されます。
*このご注文からSSL(セキュリティ機能)を使用しますので、あなたの情報は安全に守られます。
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証の判定

判定

証(症状・体質)判定を望む方判定の方右矢印 陰陽(太極図)証の判定メニュー画面へ »
※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。Java

中医学の証・解説

次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。

葛根湯 朱雀:四神の獣・南方の守護神

八 法

汗法:肺気を宣発し営衛を暢調にして膜理を開泄することにより、「遍身にちゅうちゅうと汗出づ」の状態にし、肌表にある外邪を汗とともに解除する治法です。

【中薬大分類】解表剤…発汗、解肌、透疹等をうながして、初期の感冒等表証に対処する方剤です。主に外感病の初期に使用します。

【中薬中分類】辛温解表剤…温めながら解表(体内表面の邪気を除く)する方剤です。風寒表証(表寒)に用います。

八綱分類

表寒実(ひょうかんじつ) 表 寒 寒 実 …証(体質・症状)が、表証(急性)、寒証(悪寒)、実証(体力中くらい以上)の方に適応します。


【証(病機)】外感風寒兼胃熱(がいかんふうかんけんいねつ)

中医学効能(治法)

辛温解表・生津・舒筋・疏散風寒・解肌

用語の説明(term)

風寒感冒(ふうかんかんぽう)…寒の邪気による風邪のことです。⇒解表散寒。

解表散寒(げひょうざんかん)…辛温解表と同義です。寒さの邪気による風邪の場合に体表にある寒邪を追い出すことです。

生津(せいしん)…唾(つば)を出させて、咽(のど)の渇きを取ることです。

舒筋(じょきん)…筋肉の動きを伸びやかにすることです。

使用目標(aim)

本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●首の後ろから肩、背中にかけて、こりがある状態。
●悪寒、寒気があり、ぞくぞくする状態。
●全身の発熱か、局所に熱感がある状態。
●手首などの脈が測れる部分に軽く指を当てただけで、脈カ切っているのが分かる状態。
●自然に汗が出たりすることのない状態。


症例・病例・治癒例・case study(case study)

【葛根湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈鼻下びらん〉

治例図 10歳の少年です。
あまり丈夫な体質ではありませんでした。1年余り前から鼻汁が多くなり、鼻の下がいつもただれ、舌を出してペロリ、ペロリと上唇から人中(鼻の下の穴名)のあたりをなめまわします。
大学の耳鼻科で半年治療を受けたが治りません。
葛根湯を用いますと鼻汁が流れなくなり、3ヶ月で完全に治りました。同時に血色もよくなり、ときどき失敗していた夜尿も治りました。

弁証論治 リンク風寒(表寒)証 »

・現代病名:鼻下びらん

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2〈中耳炎〉

治例図 3歳の男の子です。
カゼのあと中耳炎となり、耳鼻科に通院していますが、長びいています。
左の耳から排膿しているだけで、食欲もあり、元気です。腹部も大小便にも変化がないです。
葛根湯の服用で排膿が止み、20日ほど服用して全快しました。

・現代病名:中耳炎

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3〈肩こり・首の痛み〉

治例図 A子さん(35歳・女性)はある研究所に勤めています。
日常的にコンピュータに接する機会が多く、デスクワークのために姿勢は悪くなり、目が疲れ、慢性の肩こりに悩まされていました。肩のこり方はかなりひどい方で、首も痛み、そのため夜もよく眠れないというものでした。
体格はよく、丈夫なタイプなので漢方薬の葛根湯を勧められて飲み始めると、1週間ぐらいで肩の筋肉の緊張が取れ、肩こりがぐっと楽になりました。同時ににきびも治り、肌まですべすべになりました。体調がよいので、その後2ヵ月ほど続けて服用しています。

・現代病名:肩こり・首の痛み

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4〈葛根湯で腫れがひいた〉

治例図 主婦のTさん(28歳)は、先月、右の乳房がまつ赤に腫れて痛みはじめました。
抗生物質の副作用に悩まされた経験のあるTさんは、病院を訪ねて漢方治療を希望しました。
首と肩がこることと体力も食欲もあることから、Tさんには葛根湯が処方されました。効果はすぐに現れ、乳房の腫れが引き、3日目には痛みも消えました。しかし、まだ胸にしこりがあるため、引き続き排膿蔽及湯を服用することになりました。すると、服用して3日目で残ったしこりもすべて消えてしまったそうです。

・現代病名:乳腺炎

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5〈”頭の一部に寒気”は葛根湯で治る〉

治例図 Yさん(42歳・男性)は1週間ぐらい前から、頭の部だけに寒気を感じるようになりました。
ほかに症状がないので、初めは気にしないようにしていましたが、なかなか治らないため、かかりつけの漢方研究医に診てもらったところ、かぜのひきはじめであることが分かりました。
葛根湯を処方してもらい、それを服用すると、汗がじわっと出て、同時に頭の寒気もなくなったのです。「風邪が体表に取り付いたのだが、体の奥まで入り込まなかったために起こっていた症状だ」と説明されて、Yさんは納得したようです。

弁証論治 リンク風寒(表寒)証 »

・現代病名:風邪の初期

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6〈葛根湯を飲み5日間で回復〉

治例図 M子ちゃん(4歳)とK子ちゃん(7歳〕姉妹がはしかにかかり、ほぼ同時に発症しました。

姉妹ともに38℃程度の熱があり、M子ちゃんは汗を多くかき、K子ちゃんはほとんど汗をかいていないという状態でしたが、どちらかというとM子ちゃんの方が症状は重いようでした。

母親が自宅近くの漢方薬局で相談すると、普段から、ころころ太って元気なM子ちゃんには葛根湯を、あまり丈夫ではないK子ちゃんには桂枝麻黄各半湯を勧められました。

するとM子ちゃんは1晩で発疹が体中に現れましたが、ふとんの中で元気に過ごし、5日間ほど葛根湯の服用を続けて回復しました。

一方、K子ちゃんも桂枝麻黄各半湯を6日間服用すると、短期的な高熱と発疹に襲われましたが、内攻を起こすことなく元気に回復したのです。

弁証論治 リンク風寒(表寒)証 »

・現代病名:はしか

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7〈葛根湯で下痢を治療〉

治例図 サラリーマンのAさん(42歳・男性)は、この1週間ほど、かぜの諸症状と下痢、腹痛に悩まされ、会社も休みがちでした。病院へ行っても、なかなか症状は治まりません。

そこで漢方薬局で相談したところ、薬剤師は「汗をあまりかかないようなので、体液が腸内にたまって、下痢をしゃすいのです。腸内の水分代謝を高めましょう」と葛根湯を処方してくれました。

すると 驚いたことに、わずか3度の服用で便が固くなりはじめ、腹痛も解消しました。

・現代病名:下痢

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8〈葛根湯を服用し、足湯と首にタオルで完治〉

治例図 検事のYさん(50歳・男性)は、担当した事件が大詰めに近づき、毎日多忙な日が続いていました。

1ヵ月ほど職場に寝泊まりしてがんばっていましたが、ようやく区切りがついて打ち上げとなった夜、同僚としたたかにお酒を飲んで久し振りに帰宅、そのままうたた寝をしてしまったのです。

翌朝、起きてみると顔の右側に違和感があり、触ってみたところ、感覚がないのに気づきました。

そこで、あわてて近所の漢方薬局で相談したところ、葛根湯を勧められたのです。日常生活では、足湯をすることと寝るときにはタオルを首に巻いて寝るようにといわれました。

Yさんがこれらを1週間続けたところ、顔の違和感は取れたのです。

その後は、夏場だったのでエアコンの風が直接顔にあたらないように、寝るときに顔をタオルでカバーするようにして寝ていると、1ヵ月で治りました。

・現代病名:顔面神経麻痺

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組成成分

各生薬の詳細説明にリンクします。
麻黄  桂皮  生姜  芍薬  大棗  甘草 

葛根湯の中薬一覧(herb list)
生薬名(herb name) 薬量(quantity) 君臣佐使(role) 効能1 効能2 効能3 効能4 大分類 中分類

麻黄 »

4

臣薬

辛温解表

平喘

解表剤

辛温解表薬

桂皮 »

3

佐薬

辛温解表

解表剤

辛温解表薬

生姜 »

1

使薬

辛温解表

化痰

解表剤

辛温解表薬

芍薬 »

3

佐薬

斂陰

補血

補虚薬

補血薬

大棗 »

4

使薬

斂陰

健脾

補虚薬

補気薬

甘草 »

2

使薬

調和

健脾

補虚薬

補気薬

・君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。
・臣薬…主薬を補助して主薬の効き目を強化する薬物です。
・佐薬…主薬に協力して二次的な症状を取り除くか、または主薬を制御し、主薬による副作用を抑えるか防ぐ薬物です。
・使薬…方剤の中では二次的な薬物か、引経(薬物を病のある場所まで引率していく作用)の薬物です。

1.麻黄・桂皮・生姜・葛根は、発熱状態では発汗・解熱に働き、悪寒・頭痛・身体痛などの表証を緩解する(辛温解表)。
芍薬・甘草(炙甘草)・大棗は、発汗過多になるのを抑制します(斂陰)。

2.葛根・芍薬・甘草(炙甘草)・大棗は、筋肉のけいれんを緩解する(舒筋).葛根は、特に項背部のこわばりに奏効する。
また、4薬はすべて滋潤の効果をもつ。

3.芍薬・甘草(炙甘草)・大棗は、腸管のけいれんを緩解して腹痛を止め、葛根は下痢(泄瀉)を止める。

4.桂皮・生姜は、消化液の分泌を高め蠕動を調整して、消化吸収を補助します(理気)。

(補足)
本方は、麻黄湯と同じく表寒・表実に用いますが、麻黄湯よりも発汗作用が弱く、筋けいれんを緩解する作用が付加されています。

中薬構成(herb composition)

神農

桂枝から甘草までの構成は桂枝湯であり、桂枝湯に麻黄と葛根を加えたものと考えればよい。
桂枝湯は弱い発汗薬であるが、これに麻黄という強い発汗薬が加わったために(麻黄と桂枝が合わさると、相乗効果で麻黄より強い発汗作用を発揮する)、方剤全体としても強い発汗剤となっている。したがって、汗の出やすい虚弱体質者には用いられない。
葛根には肩や首筋の凝りを治す作用があると考えられており、また鼻づまりを治す作用があるようである。
麻黄湯から杏仁を去って、葛根・奇薬・生姜・大震を加えた方剤とも見ることができ、麻黄湯より咳を治す作用は弱いが、肩や首筋の凝りを治す作用が強いと考えられる。また麻黄湯より補性薬がたくさん入っているので、麻黄湯よりは虚証向きの方剤と見ることができる。方剤全体として、桂枝湯や麻黄湯と同じく温性であり、漢方医学で言う辛温発表剤の一つである。

神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。

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処方画像

首から上の病気葛根湯は首から上の病気に効く
普段元気な人が、かぜのひきはじめで、発熱、頭痛、悪寒があり、首や肩がこったり関節痛があったりする場合に葛根湯を服用すると、短時間で楽になります。葛根湯には、汗を出して熱を下げ、せきを鎮める作用のほか、こわばった筋肉を緩和する作用があるのです。ですから葛根湯は、「漢方版総合かぜ薬」ともいえるでしょう。
しかし、葛根湯が活躍するのはかぜのときばかりではありません。葛根湯を処方するときに基準となる患者の状態(使用目標)は、体力が比較的あって、頭痛、発熱、悪寒、首や肩のこりがあり、自然発汗がないなどというものです。自然発汗とはじくじくと出る汗のことです。
したがって、葛根湯が効く病気や症状の範囲は、初期のかぜや熱性疾患のほか、結膜炎・中耳炎・扁桃炎などの炎症性疾患、肩こり、上半身の神経痛、じんましん、湿疹、蓄膿症なども含まれます。また、発熱や悪寒がなくても、首や肩のこりや痛みを目標に葛根湯を処方することもあります。
このように葛根湯は、上半身、特に首から上の病気に用いることが多いため、「首から上の薬」ともいわれています。

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風邪症候群の漢方薬と症状の関係

●風邪症候群の漢方薬と症状の関係
漢方薬























備考
銀翹散 表熱実 赤い風邪(温熱病)。炎症性のカゼではほとんど寒気(さむけ)が無く、熱感が強く、初めから熱がでます。特に口が渇いてノドに熱を持つことが多く、赤く腫れて痛むカゼです。
葛根湯 表寒実 × 青い風邪(傷寒)。症状としてまず寒気を訴え、次第に熱がでて、頭痛や肩こり、節々の痛みなどを訴え、顔色が青白いカゼです。
麻黄湯 表寒実 × 青い風邪(傷寒)。症状としてまず寒気を訴え、次第に熱がでて、頭痛や肩こり、節々の痛みなどを訴え、顔色が青白いカゼです。
桂枝湯 表寒虚 × × 青い風邪(傷寒)。症状としてまず寒気を訴え、次第に熱がでて、頭痛や肩こり、節々の痛みなどを訴え、顔色が青白いカゼです。
霍香正気散 裏熱虚 胃腸症状の風邪。

◎、○、△ = 使用目標 (症状の強さ=◎>○>△)
▲ = 無いか、あっても極わずか
× = ある場合は適応しない

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高血圧や慢性頭痛高血圧や慢性頭痛にも効果あり
葛根湯は本来、急性疾患の初期に使用する薬ですが、慢性病の治療にも応用することができます。
比較的体力があり、汗が出なくて、脈が強く感じられ、首や肩がこわばっているという状態は、まさに葛根湯の証(葛根湯が適応する状態)です。
この証に当てはまる人が、例えば「血圧が高い」ということで医師から注意を受けていたら、葛根湯が効を奏するかもしれません。
かぜ薬として知られている葛根湯が、高血圧に本当に効くのかと思われるかもしれませんが、漢方薬では病名に注目するのではなく、それぞれの患者の証に注目します。証に合った漢方薬を服用すると、体全体のバランスが整えられるため、本来的に体に備わっている自然治癒力が最大限に引き出され、高血圧のような病気も改善するのです。
また、葛根湯は慢性の頭痛などに効果を発揮することもあります。
悪寒や発熱といった症状が見られなくても、頭痛、首や肩のこりがあり、汗が出ないといった場合、葛根湯がぴたりと合う証だといえます。つらい慢性頭痛に長年悩まされていた人が、葛根湯を服用)して頭痛から解放され、首や肩のこりまですっきり解消するということも、珍しいことではありません。

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傷寒論(仲景全書)
傷寒論(仲景全書)
今日も風邪薬として市販されている葛根湯の処方は、三世紀初頭(後漢時代)に成立したといわれる張仲景の医書『傷寒論』に記載されています。
傷寒は、腸チフスのような急性の熱病です。『傷寒論』は、傷寒の病状について述べると共に生薬を複合して種々の症状に対応する薬物療法を記した書です。
葛根湯の成分は、葛根(クズの根)・麻黄・桂枝・生姜・甘草・芍薬・大棗で、傷寒の初期の病状(太陽病)に対応する処方として挙げられています。
張仲景の医書は、『黄帝内経』『神農本草経』と共に漢方の最重要古典とされ、わが国でも江戸中期に、『傷寒論』を聖典として重んじる古方派が出現しました。
上図写真は、趙開美という人が明の万暦二七年(1599)に編刊した『仲景全書』に収められている『傷寒論』です。北宋の時代、11世紀に出版された『傷寒論』の翻刻で、『成無己註解傷寒論』『傷寒類証』『金匱要略方論』と共に『仲景全書』全10冊に収録されています。

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合 方(複数の漢方薬を合わせた処方)

(複数の漢方薬を合わせた処方)
他剤との効用併用を示します。合方は良効なケースが多いです。
本方の証の方で、さらに次の症状がある方は、合わせて次の方剤を飲むと良く効きます。
病症症状 合方 備考
急性、慢性の扁桃炎で咽の痛みの強い場合 葛根湯+桔梗石膏 »
葛根湯証で頭痛の激しい場合 葛根湯+五苓散 »
急性症状で鼻水がねばねばしている、あるいは膿を含んでいる場合 葛根湯+桔梗石膏 »
感冒の急性期で発熱が強い時や、風熱型感冒(温病の風邪)で、熱感が強く口渇、咳き、咽喉(のど)の痛みがある場合など。 葛根湯+桔梗石膏 »

類方鑑別(効き目が似た別の漢方薬紹介)

他剤の効用を示します。証のまぎらわしい処方との鑑別をしめします。
●麻黄湯…より実証。項背部のこわばりより、筋痛、腰痛、関節痛が著明。喘咳がある。
●桂枝湯…表寒虚証、病変が体表の浅い部分にある。自汗有り、脈浮緩。
●麻黄附子細辛湯…感冒様症状があるが、発熱少く悪寒が強い。表証+少陰病で脈が沈。
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備 考(Remark)

中医師生薬の相互作用が優れた効果を生む
葛根湯の優れた効果は、生薬の組み合わせで生じた相乗効果や相互作用から生み出されています。例えば、主な構成生薬の葛根には、発汗・解熱作用と、首や肩、背中の筋肉の緊張をほぐす作用があります。加えて、麻黄と桂枝にも発汗・解熱作用があり、相乗効果が得られます。そのため、汗が気持ちよく出て、熱が下がり、頭痛や関節痛などが改善されるのです。
また、巧薬、大喪、甘草は滋養強壮効果がある生薬ですが、一方で過度の発汗を抑える作用があり、バランスを保つ役割を果たしています。その上、麻黄に含まれるエフェドリンという成分には覚醒作用があるため、服用後に眠くならず、車を運転する前などでも安心して服用することができます。このような優れた効果は、絶妙な生薬の配合からなる漢方薬ならではの魅力といえるでしょう。
漢方薬を選ぶには、その病気になってどのくらいたつのかといった「病期」も重要です。葛根湯は病気の初期(かぜならひき始めて半日から遅くても1日ぐらい)に用いる漢方薬です。ですから、かぜをひいてから数日たって体力が落ちているような場合には、効果はあまりなく、逆に脱水症状に陥ったり、体力がさらに衰えてしまったりすることがあります。葛根湯の効果を十分に発揮させるためにも、適切な使用時期を守るよう心掛けましょう。

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