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【 チョレイ 】 |
『本草綱目』で「弘景曰く、その塊は黒くして猪屎に似てゐるところからなづけたのである」と記述が残る。国内での生産はごく少量、殆どは中国からの輸入に依存する。原植物チョレイマイタケPolyporus umbellatus Fries(Grifolia umbellata Pilat)は日本では比較的冷涼な乾燥した陽があたる山地のカバノキ、カシワ、クヌギ、カエデ、イヌブナ、ヤナギなどの根際に出る。中国産はカラコギカエデ、カシワなどの活きた根に付着して形成される。黒龍江省、河南省、陝西省、雲南省などに分布が多い。特に陝西省漢中地区のものは質が良いとされる。生薬の形状は不規則な塊状若しくは円形に近い塊状で、大小不揃い、多く湾曲しているか、生姜のように分枝し、長さ約10〜25cm、径3〜8cm、円塊状のものは径約3〜7cm、外面は灰黒色か黒褐色、多数のくぼみと粗い皺、不規則に凹凸のある瘤状突起がある。折りやすく、折面はやや柔らかい。コルク様で、ほぼ白色〜淡褐色、顆粒状を呈する。質は軽く、におい、味がない。『和語本草綱目』で「小便ヲ利シ濕ヲ除キ水腫、腹満、淋病、帶下、脚氣、口渇ヲ治ス」、後年の湯本求真先生は「一種の利尿薬で、その作用は茯苓、沢瀉に類似するが、その異なるところは解熱、止渇作用強いが、茯苓の如く、冒眩を治す能はずして解熱利尿作用が力ある」と言及している。小便を利し、渇を除き、利水薬として漢方処方用薬に応用されている。 |
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