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【 サイシン 】 |
ケイリンサイシンは、朝鮮半島、中国に分布し、山林のやや湿った樹林下に生育する多年生草本で同属種が多い。高さ10〜30cm。根茎は、密にひげ根を付け、節がある。3〜5月にかけて葉腋から直立する長さ3〜6cmの花柄に1個の花を付ける。生薬としてはウスバサイシンAsiasarum sieboldii(Miq.)F. Maekawa、ウスゲサイシンA. heterotropoides F. Maekawa var. seoulense F. Maekawa、ケイリンサイシン(北細辛)A. heterotropoides F. Maekawa var. mandshuricum F. Maekawaの地上部を除いた根及び根茎を当て、中国では北細辛A. heterotropoides F. Maekawa var. mandshuricum F. Maekawaを主に使用する傾向にある。しかし、細辛の主成分であるエレミシン、メチルオイゲノール、サフロールなどの精油類、リグナン類及びサイシンアミドがいずれの種類にも含まれており、成分による差異は認められず、ウスバサイシンとは大きな違いはないものと判断をし、使用には大きな影響はないが、品質の均一化を考慮して、単一品種の購入を望みたい。
薬効は粉末を口内炎の治療薬とし、去痰、鎮静、鎮痛、解熱などを主訴とした応用例があるが、単独で用いる事は少なく、気管支炎、気管支喘息、鼻水、うすい痰を伴う咳、鼻炎に効き目を有する小青竜湯などの漢方薬に配剤し、著効を発揮する。 |
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