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こんな方に

お腹がゴロゴロ鳴る下痢(泄瀉)の方

主 治

胃腸の病に伴う精神不安

適応症

多夢による不眠症、神経性下痢(泄瀉)、口内炎、神経衰弱ノイローゼ、統合失調症、錯覚、幻覚、幻想、気欝、胃腸炎、消化不良胃アトニー、胃拡張、胃下垂、小舞踏病、夢遊病

妊娠・授乳の注意

女性

●妊婦または妊娠の可能性のある人は、使用できない場合があります。

診断のポイント

●みずおち辺りにつかえ感がある、または硬く張って痛みがある。
●お腹がゴ□ゴ□と鳴る腹中雷鳴が起こる。
●激しく回数の多い下痢(泄瀉)。
●下痢(泄瀉)はないが、胸苦しくて気分が優れず不安感がある。
●精神不安があり、声が枯れる。
●多くの夢を見る、あるいは不安な夢を見て熟睡できない。
●食欲不振。

弁証論治

●脾胃湿熱(湿熱阻滞脾胃) »

出典書籍

出典書籍 (source)
西暦250年 三国時代 『傷寒論』 校訂 六経によって急性熱病を識別し、治療する方法について説明している。→処方使用期間:1757年間


処方別・製品一覧

医薬品個人輸入 説明表示をクリック(タップ)→説明表示 いらっしゃいませ 医療用漢方薬

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ツムラ+佐藤製薬 ≪医薬品≫ 本剤は、〈顆粒剤〉です。
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証の判定

判定

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中医学の証・解説

八 法

和法:和解あるいは調和の作用によって病邪を消除する治法です。

【中薬大分類】和解剤…調和を行う方剤です。和解の方法により病邪を解除する方剤です。少陽半表半裏の邪を解除したり、肝脾不和・脾胃不和を改善するもので、八法の【和法】に相当します。

【中薬中分類】調和胃腸剤(調和脾胃剤)…胃腸や脾胃を調和する方剤です。

八綱分類

裏熱虚(りねつきょ) 裏 熱 熱 虚 …証(体質・症状)が、裏証(慢性症状)、熱証(炎症)、虚証(体力中くらい)の方に適応します。


【気血津・臓腑証】
脾胃不和・脾胃湿熱(ひいふわ・ひいしつねつ)…下痢(泄瀉)が強く心窩部が硬く脹り胸苦しく不安な場合に用い、炙甘草で脾気を補い止ケイして下痢(泄瀉)を改善し、さらに黄連・炙甘草で不安を鎮めます。

【証(病機)】胃虚痞結(いきょひけつ)

中医学効能(治法)

益気和胃・消痞止嘔

用語の説明(term)

益気(えっき)…気を補充することです。

脾胃不和(ひいふわ)…滋養成分を上昇させる脾の機能と、粕を下降させる胃の機能が折り合わず、吐瀉や胃のつかえが起こることです。

脾胃湿熱(湿熱阻滞脾胃)(ひいしつねつしつねつそたいひい)…湿熱の邪による脾胃の障害である、湿困脾胃の症候とともに熱証がみられることが特徴で、胃腸障害・水分代謝障害に炎症をともなうものと考えられます。病邪の感染・脂肪や美食の摂取過多・酒の嗜好などによって発生します。

使用目標(aim)

本方剤の適応する使用目標は次のとおりです。
●みずおち辺りにっかえ感がある、または硬く張って痛みがある。
●おなかがゴ□ゴ□と鳴る腹中雷鳴が起こる。
●激しく回数の多い下痢(泄瀉)をする。
●下痢(泄瀉)はないが、胸苦しくて気分が優れず不安感がある。
●精神不安があり、声が枯れる。
●たくさんの夢を見る、あるいは不安な夢を見て熟睡できない。
●食欲不振である。


症例・病例・治癒例・case study(case study)

【甘草瀉心湯の症例・治例】…次の症例に近い病症の方は、本方剤をお奨めします。

1〈十数年来の悩みが10日で治った〉

治例図 東北に住むAさん(72歳・女性)は、十数年間、交互に襲う下痢と便秘に悩まされてきました。いろいろな薬を試してみたものの一向によくなりません。おなかが張って吐き気はあるのに吐けない、という気持ちの悪さに残便感が重なり、イライラすることもしばしばでした。

そんなある日、東京から里帰りしていた娘に悩みを打ち明けたところ、娘が懇意にしている東京の漢方専門薬局に相談に行くようにといわれ、新幹線に乗ること2回。しかし、いずれも車中で下痢になり、心配になって引き返してしまうというありさまでした。

事情を知った娘がその薬局に相談したところ、甘草瀉心湯を勧められました。

娘から送られた薬を飲みはじめて10日目のことです。何年振りかでやっと気持ちのよい便が出たのです。十数年来の悩みがパッと吹き飛びました。今は、トイレの心配をしないで飛び回れるのがうれしいというAさんです。

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・現代病名:慢性腸疾患

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2〈食あたり〉

治例図 夏は暑さのため胃腸も弱り、食あたりや食中毒を起こしやすいので用心が大切です。

平成六年夏、サミットに出かけた村山首相が、ナポリで急性胃腸炎を起こして一日入院される騒ぎがありました。
首相は高齢なのに暑さの中をさらに暑い国に出かけられ、そこで脂濃いイタリー料理を食べさせられました。暑さ、疲労、慣れない食事と揃えば誰でも腹をこわしてダウンするのは当然です。

食あたりや過労などで胃腸の正常な働きが失調して悪心嘔吐や下痢を起こした時に用います。この処方には食物中の細菌や毒を中和解毒し炎症を止める薬と胃腸を温め嘔吐や下痢を抑制して働きを正常に戻す薬とが配合されています。

昭和二十七年、総選挙の遊説で故郷の土佐に帰った、時の宰相・吉田茂は名物の鰹のタタキを食べすぎて猛烈な食あたりの下痢を起こしました。

今回の村山首相と全く同じケースです。土地の名医大家と言われる医者達が手を尽くしましたが一向に下痢が止まず、とうとう主治医の馬場先生という漢方の医者をわざわざ東京から飛行機で呼び寄せて治療に当たらせたところ、この先生は誰も治せなかった宰相の下痢を甘草瀉心湯の一服で見事に治してしまいました。

この馬場先生という人は、東大医学部を主席で卒業した秀才ですが、とても変わり者の名医だったそうです。

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・現代病名:食あたり

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処方画像

腸の症状が強いときに有効腸の症状が強いときに有効

甘草瀉心湯は、半夏瀉心湯と生姜瀉心湯とともに瀉心湯3兄弟と呼ばれる処方のひとつです。使用目標は、半夏瀉心湯を基準にして判断すると分かりやすいでしょう。
半夏瀉心湯が合うのは、みずおち辺りがつかえる心下居硬、食欲不振、おなかがゴロゴロと鳴る腹中雷鳴がある場合です。これらの症状を中心に、病状が上に現れるときは吐き気や嘔吐、下に現れたときは消化不良などで下痢(泄瀉)になります。このうち、腹中雷鳴の症状がひどくなり、精神不安が加わってきた場合には、甘草瀉心湯が有効になります。つまり、心下居硬があり、胃腸全体が腹鳴するといった場合には半夏潟心湯で、その症状がより急性で、嘔吐も下痢(泄瀉)もあり、特に腸の症状が強いときには、甘草瀉心湯が適しているのです。
ちなみに、この症状が胃の方に片寄っている場合には、生姜瀉心湯を用いると効果的です。


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狐惑病狐惑病に用いて精神不安もスッキリ

甘草瀉心湯の処方は、漢方の古典『傷寒論』と『金匱要略』の両方に紹介されています。ことに『金匱要略』では「狐惑病」(こわくびょう)の治療薬として挙げられています。狐惑病とは急性熱性病のような病状をしており、「眠いのに眠れず、寝ても起きても常に不安がつきまとう。咽喉に潰瘍ができたときは惑で、陰部に潰瘍ができたときは狐である。食欲不振で食べ物のにおいをきらい、顔色が赤、黒、白などに変化する。のどの辺りに潰瘍があるときは声が枯れる」という症状が現れる病気です。
つまり、甘草瀉心湯は心下居硬、腹鳴、下痢(泄瀉)などの症状を伴った不眠や幻想、夢遊、強迫観念などの精神科領域の症状にも応用できる、ということです。
また、口内炎、舌炎、声枯れなどにも応用できますが、この場合も胃腸症状や精神症状が伴っているときに効果がある、とされているのです。
精神病の原因はさまざまですが、現代に非常に多いストレスもそのひとつに挙げられます。ストレスが胃腸に負担をかけ、胃腸が弱ってくると、それがまた精神に悪影響を及ぼします。その悪循環を改善し、心身ともによいバランスを保てるように作用するのが甘草瀉心湯なのです。


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ビールを飲んで下痢(泄瀉)下痢(泄瀉)に関する人参湯との違い

甘草瀉心湯の使用目標となる下痢(泄瀉)は、1日に何十回もトイレに行くような激しいもので、軟便というよりも水の様な便です。
このような症状から、間違えて人参湯を服用してしまうことがあります。
人参湯で治る下痢(泄瀉)は、排泄後に疲労感が現れることが特徴で、その逆に、一時的に気分がよくなる場合は甘草瀉心湯などが合うのです。
また、甘草瀉心湯を用いることによって、下痢(泄瀉)がかえってひどくなってしまう場合があります。このようなときには人参湯が適しており、その反対に、人参湯で治らない下痢(泄瀉)には甘草瀉心湯がよい場合があります。
さらに、ビールを飲んで下痢(泄瀉)になってしまったときは、ほとんど甘草瀉心湯で症状が治まるので、覚えておくと便利です。


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備 考(Remark)

中医師瀉心湯3兄弟の処方
半夏瀉心湯には、構成する生薬は同じでも、甘草が主薬となる「甘草瀉心湯」と、生姜を加えて主薬とする「生姜瀉心湯」という2種類の兄貴分的処方があります。甘草瀉心湯は、甘草の量を1g増やすだけですが、1日に数十回もトイレに通うようなひどい下痢(泄瀉)に効果があり、そのための不眠も改善されます。さらに、胃腸だけでなく、声が枯れてしまうようなノイローゼや夢遊病まで治った例があるそうです。
また、生姜瀉心湯は、半夏瀉心湯の乾姜2gを1gにして、新たに生姜を2g加えた処方です。胸の中が苦しく吐き気がする、胸焼けがするといった症状に効き、女性の場合は悪阻(つわり)にも効果があります。
このように、生薬の量を少し増減するだけで効力の方向転換ができる処方があります。今回の瀉心湯3兄弟は、主薬となる生薬を増減しただけですが、効能は上記のように異なってくるのです。

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