苓桂朮甘湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)  神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛、からだフラフラ型の方に!


1〈めまい〉

48歳、女性。
大学生以下3児の母。親譲りの眼病で、子供の頃左目の網膜剥離の手術を受けている。今でも、めまい、頭痛がしばしば起こる。体格は普通。貧血があって口唇が白い。全身が少し冷え、膀胱炎を繰り返す。母親の役割も主婦業も何とかやっているが、頭重、頭冒、眩量のために気逆や気欝の傾向が絶えない。
苓桂朮甘湯はじめ、連珠飲、柴朴湯、真武湯、柴胡解毒湯、人参湯と対症療法を経て次第によくなってきた。そしてここ4、5年は苓桂朮甘湯合黄連解毒湯がすっかり定着し、そのときどきの症状の薬と交互にのんで安定している。

2〈めまい〉

72歳の女性。
小柄でやせ型。主訴はめまい、ふらつき、立ちくらみ。特に立ち上がるときや、寝ていて起きるときにくらっとくるという。いろんな病院で薬をもらったがなかなか良くならない。
この方に苓桂朮甘湯をおすすめしたところ、ふらふらしなくなり、調子が良いということで、2年以上継続して服用していただいている。しかし、ある日、薬をきらしてしばらくのみ忘れていたところ、また、めまいがして道でころんでしまったということで、顔中スリ傷で血がにじんでいる状態で来店された。そこで、また苓桂朮甘湯をお渡しし、のみはじめたところ、めまいも起きなくなり、ふらふらしなくなったという。以降かかさず現在も服用している。

唐太宗・李世民 朱雀