麻黄附子細辛湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)  抵抗力が無い方の熱病を含む風邪に有効な漢方薬!


1〈アレルギー性鼻炎〉

55歳、主婦。
10数年来のアレルギー性鼻炎で四季を問わず、急に冷えこんだ朝に、くしゃみが頻発し、眼がかゆくなり、水様の鼻汁が多量に出る。これまで抗ヒスタミン剤の投与を受け、その場をしのいできたが、抗ヒスタミン剤を服用すると眠気と全身倦怠感が起こり、工日中寝ている始末である。半年ほど前よりステロイドと抗ヒスタミン剤の合剤(セレスタミン)の投与を受けたが、顔面に皮疹が出現し、顔も腫脹してきたので、和漢薬治療を希望して来院した。
身長156p、体重43s、体温36.3℃、血圧234/82m正9。
蒼白な顔貌で、貧血様。四肢が冷え、いつも厚着をしているという。脈は沈んで細、弱。舌はやや淡白紅で、薄い白苔がみられる。腹力は軟弱である。他は特記すべき所見はない。
肺陽気虚で、寒に侵された病態と考え、麻黄附子細辛湯を投与した。セレスタミンは中止とした。服薬した翌日より身体の温まりを感じ、鼻閉感、全身倦怠感も半減。以後4ヶ月間続服中であるが、鼻炎症状は全く起こらず、眠気もこなくなったとのことである。

2〈感冒〉

55歳の男子。
平素虚弱体質のもの。公務出張で寒い国の温泉に浴し、風邪をひいて、無理をして帰った。悪寒がして熱が39度となった。元気なく、悪寒がして耐えられない。よくよく疲れていた。脈は沈んで細く弱い。麻黄附子細辛湯を2日分与えた。一貼を服用すると全身温まり、こころよく汗が出て、午後はすっかり治った。このように効く風邪薬をのんだのは初めてであると感謝された。

唐太宗・李世民 朱雀