補中益気湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)  身も心も疲れ切った方をたちまち元気に(笑顔になる漢方薬)!


1〈肝機能障害〉

41歳女性、やや小柄、未婚。
肝機能の数値があまりよくなく、ときどき白目が黄色味がかったりするので、実家から小柴胡湯を送ってもらって服用しているがどうも服用するとかえって疲れるような気がするという。目が切れ長の美人タイプ6睡眠は正常、やや便秘気味、口渇なし、足は冷える。脈証は全体に沈細。左関上と尺中が虚している。加味遭逢散も考えたが、睡眠等に問題がないのでむしろ補気に重点をおいて、補中益気湯とした。服用7日目くらいで体調が良くなり、1ヵ月で全くというほど自覚症状がなくなった。肝実証と肝虚証の区別の重要性を改めて考えさせられた一例である。

2〈虚労盗汗〉

27歳の婦人。
2年前に妊娠6ヵ月で自然流産してしまった。今度妊娠して3ヵ月になるが、つわりが始まって、食欲不振、全身倦怠感がひどく、夜中おびただしい盗汗で、気味が悪いほどであるという。脈は弱く、腹も弛緩し、顔色蒼白で貧血している。補中益気湯を与えたところ、一週間で元気が出て、食欲がすすみ、盗汗もすっかり止まった。虚弱者の妊娠中、補中益気湯やキュウ帰補中湯を続服するときは、体力充実し、流産を防ぐことができる。

3〈失禁〉

愛知県名古屋市。32歳/男性。
22歳の時オートバイ事故で脊椎を傷め、3ヵ月前から尿漏れをするようになったと相談を受けた。身長167cm、体重51kg。体格はやせ型で顔色は青白く冷え症で腺病質、疲れやすい。血圧が低く(110-78)、頭重、疲労倦怠感、精神不安があり、不眠で衰弱している。また背部がだるく、胃が重苦しい。視力が減退している。通便は1日1〜2回、軟便で残る感じがする。また、小便が近く、1日8回。
補中益気湯を1日4回食前に6錠ずつ服用していただいた。服用1週間後から今まであった全身のだるさが少しとれてきた。1ヵ月後位から寝つきが良くなり熟睡できるようになった。尿漏れの方は、服用2週間後位から、回数が少しではあるが減り始め、2ヵ月経った現在では、以前より半分近くに減ったとの事。現在継続服用中である。

4〈虚弱な人の疲労感〉

37歳の男性。身長175cm・体重58kg。
主訴は疲労感。小さい頃から虚弱で、胃腸が弱く、貧血気味で、顔色が悪い。
5年前から補中益気湯エキス錠(1日15錠)の服用を続けています。これが本人にぴったりで、手放せません。この方の亡き父親も永年服用し、親子二代にわたってのお得意さまです。

唐太宗・李世民 朱雀