防風通聖散の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)  肥満からくる生活習慣病を予防し改善する漢方薬!


1〈脳溢血〉

56歳の男子。
右半身不随を発して3年になるが、まだ右手足が不自由で言語障害があり、右の口角がしびれ、頭痛、肩こり、腰痛等がある。便秘していて、血圧は200、顔色は灰白色である。脈ははねかえるように力があって充実し、舌は黄褐色の苔があって、腹証は全く硬く膨満している。
本例はいわゆる臓毒証体質に属し、防風通聖散の正証と診断された。しかし経をめぐらす意味で最初に疎経活血湯を与えてみたが、やや軽快という程度ではっきりしない。そこで体質的に防風通聖散を与えると、1ヶ月の後には諸症状が速やかに軽減し、その顕著な効果に驚いた。3ヶ月の服用を終わったころには、ほとんど自分の要は弁ずることができ、不自由がなくなった。

2〈動脈硬化〉

68歳、男子。
赤ら顔で強度の肥満があり、腹部は常人の2倍はあろうというほどに膨満。血圧は異常はないが、肩こり、のぼせを訴え、病院の検査により動脈硬化症との診断を下され、来院した。便秘の傾向もみられる。
典型的な防風通聖散の証とみて処方すると、自覚症状は直ちに好転し、2ヶ月ほどですっかり軽快した。しかし、本人は、この薬を飲んでいると気持ちがよいからといって、その後も服用を続けている。肥満は、やや改善されたという程度で、さしたる変化はみられない。

3〈漢方薬と家族の協力で肥満を解消〉

10代のK子さん(当時17歳)は160cmで80kgという大柄な女性でした。洋服のサイズは18〜20号で、既製の服はなかなかありません。
健康はもとより美容を気にする年ごろということもあって、ある日、漢方薬を扱っている医師のもとを訪ねてみることにしました。
便秘気味で冷え症のK子さんには、防風通聖散という漢方薬が処方されるとともに、それまで食事の代わりに食べていたスナック菓子とジュースを一切やめること、食事は豆腐や火を通した野菜、小魚を中心にバランスの取れた内容にすること、冷えを解消するために半身浴をすること、さらに運動として通学の際に1駅分を歩くことなどが指導されました。
K子さんは医師からいわれたことを忠実に実行しました。また食事は、家族全員が同じものを食べるなどして協カし、K子さんのストレスを軽減しました。そして漢方薬もきちんと飲み続けた結果、2年ほどで標準体重にまで落とすことができたのです。
今では結婚して子どもももうけ、毎日元気に過ごしています。

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4〈約半年でスリムになった〉

果物屋の奥さん、Nさん(42歳)は、背が高く、がづちりとした体格ですが、体重は70kgと太っていました。
おなかがポコンと盛り上がる太鼓腹のタイプです。 なぜ太ってしまうのかというと、商売柄売れ残ってしまうリンゴやバナナなどの果物を、もったいないので、自分で食べてしまうからだといいます。これまでいろいろなダイエット法を試しましたが、やせられませんでした。
便秘気味だという話だったので、防風通聖散を飲んでもらいました。約半年ほどで体重は15kgほど落ち、スリムになり、体が軽くなったと喜んでいます。

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唐太宗・李世民 朱雀