半夏白朮天麻湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)  胃腸虚弱で下肢が冷え、めまい、頭痛!


1〈曇りの日に現れる頭重感とめまい〉

主婦のNさん(36歳)は、いつも頭が重だるく、めまいがして、体に力が入らないという症状で悩んでいました。
この症状は、特に曇りの日や台風の前後にひどくなります。そこで、Nさんは漢方を処方するクリニックを訪れました。日ごろから胃が弱く、冷え症のNさんには、頭重感を治す標治(局所的な治療)の処方として半夏白朮天麻湯、胃弱という体質を改善する本治(根本的な治療)の処方として六君子湯が出されました。
服用を始めると、徐々に胃の調子が整い、それに伴って頭重感やめまいなどが起こる回数が減り、やがてまったく症状が現れなくなりました。

2〈体調がよくなり、食後の眠気も解消〉

Eさん(32歳・男性)は、かねてから手足の冷えに悩まされていました。漢方を用いる医師が診察したとき、Eさんは手足の冷えのほか、病気がないにもかかわらずどうも元気が出ない、疲れやすい、太りたくても太れない、食後は眠気やだるさを覚えて仕事にならない、といった症状を訴えました。
そこで医師は、半夏白朮天麻湯を処方。
Eさんがこの薬を飲みはじめると、2週間たったころから食欲が出てきました。
しかも、食後の眠気が弱くなってきたのです。1ヵ月半後には体重が増えはじめ、手足の冷えがなくなりました。体重が1kg増えたころには、虚証の人に用いる半夏白朮天麻湯が合わなくなるほど体カがつき、体調が整ってきました。
さらに、食後の眠気は完全に解消され、午後の仕事もスムーズにこなせるようになったのです。
現在は安中散に切り換え、好調を保っています。

唐太宗・李世民 朱雀