八味地黄丸の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●八味地黄丸(はちみじおうがん)  生命力の源「腎」の気を補う老化予防の妙薬!


1〈目の疲れ〉

56歳、男性。
最近目が疲れてきたと来店。問診してみると、目が霞み、ややイライラしゃすく、なんとなくむくむという。夜トイレに2度くらいは起きるといい、腰から下がだるいような感じがするという。八味地黄丸を与えたところ、1ヶ月した頃から尿がしっかり出るといい、後半月程服用した頃には、老眼鏡は必要なものの、目の疲れ、煩わしさはあまりないと、現在も続けて服用中です。

2〈糖尿病〉

43歳、女子。
患者は農家の主婦。1年あまり前、妙に疲れやすく、家人にトイレカ竣な匂いがするといわれたことから受診し、糖尿病であることがわかった。それからは医師の指示どおりに食事を制限し、服薬を続けたが、一進一退で、どうもはっきりしないといって来臨当時・血糖は空腹時で180から200近く出ており、尿糖も+3である。自覚的には、疲れやすく、いつも体がだるく、口渇がある。夜間、トイレに何度も起きるという。他覚的には属下不仁がはっきりと出ている。
そこで、八味丸を少し多めに投与した。はじめは8gであったが、少しずつ増量して、1日分12gとした。これが実に効いたのである。口渇、夜間尿、易疲労などは、2〜3ヶ月で次第にとれていき、半年後には、空腹時血糖が100前後に、尿糖がマイナスになった。念のために、さらに半年間服用を続けさせ、自覚症状も検査値も良好なので、休棄することにした。この患者は、眼底もまだ正常で、比較的軽症であったため、八味丸がよく応じたものだと思う。

唐太宗・李世民 朱雀