小建中湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●小建中湯(しょうけんちゅうとう)  胃腸の調子を整えて体質を改善する良薬!


1〈腹痛〉

28歳の男性。
170p、53s。6年前、事故で腹部に重傷を受けた。その後、回復したが、疲れるたびに、腹痛がおこるようになった。何回か検査を受けたが、原因はわからず、痛み止めの薬を渡されるだけだった。腹痛がおこると、仕事もできず、痛みが去るのを寝て待つだけだという。やせ型で、目に力がなく、いつもだるそうにしていた。そのほかは食欲も便通も正常だという。小建中湯を与えてみたところ、腹痛の回数が減り、痛み方も弱くなってきたという。調子が良いということで、継続中である。

2〈反復性臍疝痛〉

8歳男児。
小学2年生になるのですが、毎朝のように腹痛がおこり、しばしば登校が困難になります。
この子どもの両親が事情で家におらず、この子は祖母の手ひとつで育てられました。診断してみますと栄養状態は悪くなく、小児科的には体重20キロとやせていることを除いて身体的に異常はないようでした。
腹痛はほとんど毎日起こりますが、特徴は長くても30分程で、学校に行かないことになるとまもなく治ります。特徴的なことは症状が進行性でないことです。つまり昨日より今日の方が重くなるという傾向がみられないことで、症状さえとれればけろりとして、いつもの健康な状態に戻ります。このようなことから反復性臍疝痛として小建中湯を与えました。これはとてもよく効いて、1ヶ月後には学校を休むことがほとんどなくなりました。驚いたことには体重が4ヶ月で4キロも増えたことです。約6ヶ月目で治療を中止しました。

3〈持病の腹痛を漢方薬でコントロール〉

Yさん(53歳・男性)は、手術の後遺症で腸が癒着しています。
そのため、冷えると腸の活動が鈍り、おなかが痛くなります。漢方に詳しい医師に腸の動きをよくする大建中湯を勧められ、痛みが起こるたびにこれを服用していました。
以前はそれで痛みが治まっていたのですが、最近になって、それでも痛みが止まらないことが何度かあり、医師に相談したところ、へそから上の痛みには小建中湯、下の痛みには大建中湯を飲むとよいと教えられました。今ではこの方法で症状をコントロールしています。

唐太宗・李世民 朱雀