四君子湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●四君子湯(しくんしとう)  衰えた消化器系を改善し、元気を回復するクスリ!


1〈痔疾脱肛〉

紀州毛利氏が痔を病むこと多年に及び、肛門潰欄、時々膿血を出し、その悪臭がひどい。面色は倭黄となり・肢体倦怠し・諸薬を試みたが効がない。余に治を求めてきた。予はこれに四君子湯に黄老日、魂角を加えて与えたが、服すること百余割に及んで全く癒えた。

2〈痔疾脱肛〉

紀州の本間氏が痔を患い、直腸が突出して惨痛が甚しい。四君子湯を用いたが、これも全く癒えた。

3〈慢性下痢〉

熊野の岩手氏は多年にわたって泄瀉(水瀉性下痢)を患い、腹が張って、顔色が悪く、すっかり痩せ衰えて、諸薬を与えたが癒えない。脈を診ると弱くてしぶっている。そこで四君子湯を与えること五十余日、後で陳皮と木香を加えたが、すっかりよくなった。

4〈食欲不振〉

15歳の少女。
平素から身体が弱く、顔色も悪く、痩せていた。一カ月前からときどき嘔吐があり、食が進まず、疲れて元気がない。脈は微弱で手足が冷える。心下部に振水音を証明する。大便一日一回、これに人参湯を与えたところ、二〜三日で嘔吐はやみ、食が進むようになったが、五日目より全身に浮腫が現われ、眠れなくなった。そこで四君子湯にしたところ、小便がよく出て、すっかりよくなった。

5〈食欲不振〉

生後三カ月の男の児。
二週間前から乳をのまなくなり、だんだん痩せてきた。小児科ではどこも悪くないという。腹を診ると、小さくて、臍下が陥没していて力がない。下痢も嘔吐もないが、これに四君子湯を与えた。二〜三日すると食欲が出て、乳をぐんぐんのむようになった。

唐太宗・李世民 朱雀