桂枝湯の症例・治例

効果この症例に近い病症の方は、この方剤を用いることをお奨めします。

事例蘆溝橋・欄干(獅子の彫刻)●桂枝湯(けいしとう)  風邪の初期、神経痛、リウマチ、神経衰弱に!


1〈偏頭痛〉

治例図 患者が21歳のときである。
感冒にかかり、葛根湯で発汗後汗がジメジメと出て止まず、さらに上衝して左の偏頭痛が激しく、さむけがして、脈は浮弱であった。森道伯翁が私の顔貌を凝視していたが、これは桂枝湯の証であるといわれた。すぐ桂枝湯を作って1回分を服用すると、汗は止み、のぼせがなくなり、偏頭痛が拭うように治った。

2〈感冒〉

治例図 58歳、主婦。
変形性膝関節症と腰痛症の加療のため、約半年前より和漢薬治療を受けていた。一昨日より、悪寒と頭痛があり、家庭配置薬を服用したが、鼻閉感と軽い頭の重さがとりきれないという。体温37.2度、脈は浮数で弱い。上半身を主に自然発汗の傾向がみられる。身体のいずこにも冷えは自覚しない。処置室のベッドに臥床してもらい、桂枝湯エキスを投与した。服薬後薬10分で身体が温まり、心地よい汗が出た。その後1時間安静にしていたところ、諸症状は消失した。2日分の桂枝湯エキスを処方し、風邪がすっかり治ったら、いつもの膝の薬を服用するよう指示して帰宅させた。

唐太宗・李世民 朱雀